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zoom RSS 『意外』そして蔡明亮監督トークショー

<<   作成日時 : 2009/11/24 00:00   >>

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今日の映画は、今回の映画祭唯一の香港映画『意外』です。

☆『意外』
監督 : ソイ・チェン
出演 : ルイス・クー、 リッチー・レン、 林雪

意外とは、アクシデント、事故のことです。
依頼された殺しを、チームを組んで事故に見せかけて請け負う、殺し屋集団の話です。

決して疑われることなく事故にみせかけるためには、周到な準備とチームワークが必要になります。
ふとしたことからそのチームワークに亀裂が生じ、だんだんと疑心暗鬼に陥るチームのボスのルイス。
成功したかに思った瞬間からさらに歯車が狂い始め…

殺し屋のボスにルイス、仲間に林雪、保険会社のサラリーマンのリッチー・レン、
それぞれの役どころが実にうまく演じられていました。
殺しの手口もややこしくて珍しい手口などが新鮮な驚きで、画面にひきつけられました。

何といってもルイス!どんな役をやってもなりきる演技派で、本当に素晴らしいです。
香港映画界はこんないい役者さんを、どうか大事に使って欲しいと思います。 

上映終了後にソイ・チェン監督の登場で、テーチインが行われました。

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ずいぶんとカッコイイ監督さんです。
助監督時代には俳優もやっていた(やらされていた)そうです。

キャスティングについて聞かれて、
ルイス・クーは日頃から用心深く、油断ない生活をしているように見えるので、(これはルイスの香港マスコミ対策からの考察だそうです)、殺し屋のボスの役は合っていると思ったそうです。更に、家庭的な普通の人の印象が強いリッチー・レンもまたはまり役だったと思うと語っていました、

プロデューサーのジョニー・トーには、全面的なサポートをしてもらい、監督としてとてもやりやすかったと感謝していました。
トー監督とは、映画の基本についてのディスカッションをたくさんし、良い勉強をさせてもらったと語っていました。


この日は夕方から「ツァイ・ミンリャンの世界」と銘打って、トークショーが会議室で開かれました。

蔡監督と、今回映画祭の審査員でもある 台湾の女優さんチェン・シャンチーも登場です。

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蔡監督作品の常連さんのお一人で、今回上映された「ヴィザージュ」にも出演しています。
美しさの中にきりりと芯が通っている、とてもかっこいい女優さんです。
「初めて今回の作品の話を聞いた時、これは人生や世界、すべての物が凝縮された素晴らしい作品になるに違いないと思った。」と語ってくれました。
5分ほどで、審査員のお仕事のため退席してしまいました。

さて蔡監督。

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映画に対する思いのたけを山のように話して下さいました。

今回の出演者たちは、皆声を掛けたらすぐに集まってくれ、映画に対する思いをお互いに理解し合えていたと思う。おかげで自分の世界観を充分に撮ることが出来たと、満足そうでした。

昨夜のテーチインに続き、質問にたくさん答えてくれましたが、私はあのレスリーの歌を使ったことについて聞きたい!
でも監督にどうやって切り出したらいいのか…迷いに迷っていたのですが、思い切って挙手。
作品中に使われた歌について、色々なジャンルの歌が使われていたが、どうやってチョイスをしたのか、音楽についてお聞かせ下さい、と質問。これでレスリーの話が出なけりゃ仕方ないと…

まず監督は1930年代〜70年代の古い歌が好きなのですと。
そして作品の中で最初に使われた歌について、自分が子供のころによく歌われていた歌で、この中国語の歌をフランスの女優さんが実にうまく口を合わせて(口パク)くれたとご満悦。
その話が長くて、監督ご機嫌だし、これで音楽については終わりか…とあきらめかけた時、
司会の人が、「2曲目の歌は日本でも『ある恋の物語』という曲名でザ・ピーナッツが歌っていましたよね、」と拾い上げてくれ、心の中で『やったー!』とガッツポーズ。

蔡監督は、
「あの曲はイスパニアの歌です。中国語では歌詞が違っていて、『私の心の中にはあなたしかいない』という歌になっています。彼女でも彼でもない、あなた、しかいないと歌っているのです。
実は、1992年に東京国際映画祭に「青春神話」を持って来た時、審査員だったレスリー・チャンと会いました。彼と一緒に食事をしたのですが、その時、レスリーが自分はこの歌が一番好きなんだと教えてくれました。
この初めての出会いが最後になってしまったが、レスリーを記憶しておく為にこの歌を使いました。」

監督、ありがとうございました!!

回りくどい聞き方だったけれど、結果的に監督の口からレスリーとの思い出を聞くことが出来、本当に嬉しかったです。

この話の後は、ほとんど意識が飛んでしまいました(爆)

でも、監督から映画の観客へのメッセージを伝えたいと思います。

「分かりにくい(難解な)映画は、見る者に思考…考える行為を促す効果があるのです。
どうか映画をいい加減な気持ちで見ないで下さい。
それはストーリーではなく、ムービー(映画)なのですから。」

蔡監督がどれだけ映画を愛しているか、痛いほど分かりました。
『ストーリーではなくムービー』…ちょっと目からうろこです…
作り手と観客、両方のバトルがあって初めて映画が命を吹き込まれていくのですね。

最後に商業映画とは無縁の蔡監督が、どうかこの映画の配給をどこか買って下さいと頭を下げました。
自分にとって配給は大して問題じゃないけれど、せっかく作られた映画が、配給されなければ可哀そうだからと。
監督らしいですね。

どうか配給会社さん、『ヴィザ-ジュ』買って下さい、お願いします。
こういう映画が公開されてこそ、日本の映画産業の向上があると思います。

私ももう一度見たいです。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ツァイ・ミンリャン監督から♪我的心裡只有?沒有他♪の話しを聞いてくださってありがとうございました!監督自身の口から改めて聞くと又格別ですよね?美しいあのシーンが甦りました。
とまと
2009/11/25 01:01
とまとさん、コメントありがとうございます!!
蔡監督ご本人から、伝説のように伝わっていたレスリーとの話を聞くことが出来、本当に嬉しかったです。当日はプレスも入っていましたから、日本のメディアの前でこの話をして下さったことは、意義のあることですよね。
作品中にスペイン語で歌われた「我的心裡只有?沒有他」!本当に美しかったですね!!
ローラ
2009/11/25 02:03

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